小林ジャス子のカバー裏

雑談、あるいは好き勝手にBLの話を垂れ流す的な

2015年8月21日(金)/アイロニードレスにさよなら(みよしあやと)

今年もこの季節がやってきた。

 

今日も今日とて漫画を買うためにいつもの紀伊國屋へ。

そこで私は見つけました。

今年ももうこんな季節か…と思いました。

「このBLがやばい!2016」

ランキングアンケートが始まりました!

「このBLがやばい!2016年度版」アンケートWEB版

 

…という事に、今日気づいた。

 

何だよー!!HP見たら8月1日から投票始まってるっぽいじゃないですか!!

「9月くらいに始まるのかな…」とか思ってた私のバカ!バカ!!

 

そんなわけで、今年も年間ナンバーワンBLを何にするかで頭を悩ませる季節がやってきました。

詳しい事は↑のHPを見て頂きたいのですが、一般読者投票では、コミックスと小説でそれぞれ1作品しか投票できません。…これで毎年頭を悩ませるんですよねぇ。

 

去年の投票を済ませてからずっと「次の投票はどれにしようか…」と考えながらBLを読んでいるんですが、

今年はコミックスで「とてつもなく推したい」という作品が2つあって、既に困っています。今年の候補分、まだ全部発売し終わってないのに…。

せめてベスト3まで書かせてもらえれば、そんなに頭抱えなくてもいいのになぁ。

 

投票締め切りは9月30日*1との事なので、締め切りギリギリまで悩もうかと思います…。

あと、それまでには個人的ベスト10のランキングとかも作ってみようかな。

 

アイロニードレスにさよなら (IDコミックス gateauコミックス)

アイロニードレスにさよなら (IDコミックス gateauコミックス)

 

というわけで、「このBLがやばい2016」への投票を悩んでいるうちの1作品がコレ。

 

この作品と、以前(7月28日)の日記で取り上げたエンゾウ先生の「不幸中のしあわせ」の2作でコミック・ザ・ベストを決めかねております…。

不幸中のしあわせ (アイズコミックス)

 

さてさて作品の話。

この作品、ゲイ×ゲイ(女装男子)のお話です。

と、これだけ書くと「ああまた安易なゲイの恋愛モノか…」といつもの私なら鼻で笑う*2んですが、この作品は違った。

ゲイであることの苦悩や葛藤。周りの偏見。女装する意味。

この辺をきっちり描いちゃってるのが本当に凄い。

そして、結構重くて難しいテーマなんですが、あまく重くなりすぎない程度に(でもしっかり考えさせられる程度に)読ませてしまうのもホント凄い。

ボーイズがラブしてるのでBLとしか言いようがないんですが、BLという枠の中に入れておくのが勿体ないくらい。

 

作中、女装をしている受けちゃんのお母さんが重要人物として出てくるんですが、いるよねこういう人…。

ハナっから拒絶してる人より「私は理解してます」と言う人の方が厄介だったりするんですよね。

でもこういう人って悪者ではないので、戦うことも無碍にすることもできない。

んー、心苦しいなぁ。

 

とは言え漫画、しかもボーイズラブなので最後はハッピーエンドで終わるんですが、

テーマがテーマだけに「ハッピーエンドで良かったなあ」と心から安心できるのがいろんな意味で救われるので本当に救われました。

現実は漫画のようにハッピーエンドにいかないんだし、漫画でもハッピーエンドになって良かったですホント。

(その辺、1冊のコミックスにまとめなきゃいけない事もあってか後半は少し展開が急ぎ足ではあるのですが…)

 

こういう作品は、普段BLを読まない人や、LGBTとの接点がない(と思っている)人にもぜひ読んで欲しいなあ。

あ、でも一番は「私BL大好き!だからゲイにも理解あるよ!」って仰ってる人に読んでほしいかな。(きっと本当は分かってない人、多いだろうし…)

 

あとな、みよしあやと先生はここ5年くらいで商業に進出したBL作家さんの中ではトップクラスに実力派。(私個人の感想ですが)

派手さはないけど、ちょっと切なくてハートフルな作品を描いてくる。

デビューコミックスがほぼ1巻まるまる新作描き下ろしで、*3

その上「あまりの面白さに、マガジンビーボーイでいきなり長期新作連載が決定した実力派!」とか帯でとんでもなく煽っちゃってたので、

夕日に触れるその前に (ビーボーイコミックス)

当時*4の私は「何てことをしてくれたんだリブレ出版…」と思いましたが、

でもビーボーイ編集部の気持ちは理解できるんですよね。帯はやり過ぎだけど。

やっぱりこの人とんでもねぇ、と思うのです。

デビューコミックスも軽く読み返したんですが、やっぱりすごいわこれも。いずれちゃんとレビューも頑張って書こう…。

 

…と、話が長くなりましたが。

そんなわけで今年度はみよしあやと先生の「アイロニードレスにさよなら」とエンゾウ先生の「不幸中のしあわせ」の出来がとても良いので悩んでいます、という話。

どちらも作品のベクトルがちょっと違うから、これまた選びづらいんだよなぁ。

よーく考えて投票しよう…。

うう…いっそ宙出版お墨付きの「BL通」とやらに選ばれてトップ5発表させて欲しい…。

*1:但し、書店投票分は9月24日まで

*2:※私は手っ取り早くキャラを最初からゲイ設定にするのはどうかと思っている

*3:一応、描き下ろしではない作品が2本入ってるんですが、合わせても20ページくらいしかないのですごく短い。残り150ページくらいは描き下ろし

*4:2011年頃

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